私は、大分県中津市、旧下毛郡の本耶馬溪町で８人家族、４兄弟の末っ子長男として生まれ、同級生８人、全校生徒も５０人弱の地元の小学校に入学し、６年間を過ごした後、同町の中学校に入学しました。

高校は大分県の普通科高校に進学をしましたが、勉強にしても部活動にしても全てが中途半端な学生生活を送ってしまいました。今思えば凄くもったいない時間を過ごしてしまったと後悔しています。

高校卒業後は、地元にあるインスタント食品のかやく包装をする企業に就職を致しました。そこでは主に包装機械の修理やラインの組み替えを行う作業を行っておりました。工業系の高校を出たわけではなく、機械の事など全くわからなかったのですが、当時の工場長さんがつきっきりで技術を教えて下さいました。

数ヶ月後、工場長さんから工場の機械の管理を一手に任され頑張っていましたが、入社から約一年後に病気をしてしまいその会社をやめてしまいました。

病気の方も徐々に回復してきたので仕事を探していたところ、中津市内にある事務用品を取扱う会社が、コピー機のサービスマンを募集していました。

以前の会社で少しの期間でしたが機械の修理をしていたので、何か役に立てるのではないかと思い、その会社の面接を受け、採用して頂く事になりました。

同じ機械とはいえ包装機械とコピー機では構造が違い入社当初はかなり戸惑いましたが、経験を重ねていくうちに販売されている機種のメンテナンスが出来るようになっていきました。

入社当初はメンテナンスが主になるのでお客様との会話といえば修理後の作業報告くらいでした。しかし、お客様に何度か訪問させて頂くうちに徐々にではありますが、世間話等の会話が出来るようになりました。その際にお客様に機械の寿命等をいち早くお知らせする事で、購入条件が現在使用している機種と同じであればその場で成約を頂く事も多くなっていきました。

機械の修理をしてお客様に喜んで頂けるのも大変嬉しかったのですが「販売をする事も凄く楽しい仕事だな～」と感じていきました。

約四年半勤めておりましたが、ある日突然社長から倒産を言い渡され、何が何だかわからないうちに会社を追い出されてしまいました。翌日、その会社で働いていた従業員数名で今後を話し合い、共同出資をして新しい会社を立ち上げました。

それまで私は、コピー機の修理が主でしたが売り上げが必要という事で初めて営業という仕事をするようになりました。

一言で事務用品、事務機器とはいえ例えば同じボールペンでも、メーカー・種類・芯の太さ・色等々があるように何千何万もの商品があります。訪問したお客様から「これが欲しいから今度持ってきて！」と注文を頂く事は嬉しかったのですが、最初は全くわからず大変な思いをしました。しかし負けず嫌いな私は、自分なりに一生懸命勉強をして、販売をしながら徐々に商品の方も覚えていきました。

その甲斐もあり売上げも社内トップの成績を残せるようになりました。その後、共同経営を始めて３年程過ぎたくらいから独立を考えるようになっていきました。１年間考え、社長とも納得いくまで話し合い、４年半でこの会社を独立という形で後をするようになりました。

独立をする前は大抵の方が、益々不景気になっていましたので独立を反対する意見が多かったのですが、妻と一番信頼できる友人からの後押しがあったので迷い無く決断する事が出来ました。

独立後、今までお取引して頂いていた殆どのお客様が引き続きお付き合いをして下さるようになり安定した売上げを維持していく事が出来ました。

しかし貪欲な私は、さらに売上げを伸ばしていきたいと考えるようになりました。その思いの一つとしてお客様の希望を最大限叶えるという事でした。お客様が望む事であれば事務用品とはあまり関係の無い事まで積極的に取り組み仕事を引き受けておりました。

例えば塗装作業、看板作成、デザイン作成等々。その時はお客様のためと思い作業をやっておりましたが、今思えば自分の知識や技術の幅を広げる良い機会を与えて頂いたのだと思っております。